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新型ウイルス(不連続変異)の場合は出現してみなければわからないので、まったく予測ができない。
ここが大きな違いです。
M野:仮にパンデミックが起こったとします。
サーベイランスシステムで新型ウイルスを捕捉できたら、現在の体制でうまく対応できるのでしょうか。
K私も参加した厚生省の研究班が、1997年10月に『新型インフルエンザ対策報告書』をまとめました。
これは11名の専門家が何回も会合を重ね、検討して出したもので、対策プランとして非常によくできています。
ただ、プランがよくできていても、それを実行できるかということになると、いくつかの不安材料があります。
パンデミック対策の1番重要な点は予防です。
予防の第一はワクチン接種ですが、現在の体制で必要量のワクチンを迅速に確保し、接種までできるか。
そこにはさまざまなワクチンの研究者が激減している問題があります。
まず、ワクチン製造の問題です。
ワクチンの製造には熟練した技術者が必要です。
新型ウイルスの場合、従来のウイルスとは抗原構造がまったく違うので、そのウイルスでワクチンを作る必要があります。
また、実際に経験されたことですが、ワクチン製造のため1997年の香港のH5N1ウイルスを僻化鶏卵培養しようとしたら、ウイルスの毒性が強くて卵が死んでしまいました。
そういう場合、卵が死なないようにウイルスを弱毒化する操作が必要になるのですが、それには有能な研究者がいなければできません。
K現在、その技術者や研究者が足りないのです。
平成6年にインフルエンザワクチンが任意接種となってから、ワクチンの研究者が非常な勢いで減っています。
われわれは平成6年から化血研と研究会などを通じて一緒に仕事をしていますが、そこでもインフルエンザワクチンについて知っている人が急激に減っています。
M野:任意接種にした影響はそんなところにも出ているのですね。
Kそうなのです。
これは非常に大きな問題で、いってみれば国家的損失です。
今体制を建て直しつつありますが、まだまだ十分ではありません。
K次に、ワクチン生産規模の問題があります。
新型ウイルスは、冬ではなく普通5月、6月ごろに出現します。
それがその年の冬に流行するとなると、ワクチンを作るために残された時間は非常に短い。
日本で言えば、5月にわかって10月に流行が始まるとすると半年しかありません。
ウイルスを分離して新型であるとわかり、技術的な問題を処理できたとしても、今度は生産規模の問題があります。
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